大山さんは機械系出身ということで,今回は学部時代にどのように研究室を選んだのか,就職活動はどうだったか,ということを主に話してもらいました.
インタビュアー: 菅原
研究室に入るまで
菅: 機械系から情報科学研究科に来る人は珍しいと思うのですが,どのような経緯だったのですか?
大: 機械系から情報系に来る人はほとんどいないですね.学生課で相談した時も,先方は戸惑ってましたね.でも自分で調べてみたら,情報科学研究科を機械系の問題で受験できることがわかったので受けました.そのまま機械系で進むよりも採点基準がよくわからなくなるので,そこだけが心配でしたが,結果的には試験をパスして,2回の面接を経て大学院に入りました.
菅: じゃあ,学部の時は,いつぐらいから専門を変える構想があったんですか?
大: 機械系の研究室配属は早いので,学部 2年くらいから研究室を調べていたけれど,あまり惹かれるものがなかったんですね.その頃は,建築の方面に行くことも考えました.大学に入る時にはあまり調べてなかったんですよね.大学に入ってよかったのかとか,そういうこともその時期に考えてました.他の大学院に進むことも検討してました.
菅: そのあとはどうしてインタラクティブの分野に興味を持ったんですか?
大: もともとは自分で考えたものを形にしたくて機械系に進んだんですけど,なかなか大学の研究ではそういうイメージと違っていたんですね.もう一度自分の動機を考え直した時に,ものを使うひとの感性を考えるようなことをやりたくて.建築とかはそういうことをするからさっきも話に出たんですけど,それに加えてプロダクトデザインに興味も持ちましたね.東北芸工大に半年くらい通ったりもしました.そのうち調べていたら北村研究室に興味が出てきて,研究室見学に来たんです.
菅: 現在のプロジェクとはメディア空間ということですが,どのプロジェクトがいいかとかも見学の時に決まりましたか?
大: いいや,その時は決まってませんでした.見た目で派手なものがやりたいという話になって,このプロジェクトに入りました.見た目は派手ですけど,実際にやっている作業は地味でしんどいっていう印象ですね.北村研はどちらかというと応用の分野ですから,見た目は華やかですけど,やっていることはあくまで研究なので.でも空間のプロジェクトは今後,システムで動かすものも増えて行くという話があって,それに興味を持ちました.
就職活動
菅: 就職活動はweb系の会社に決まったんですよね?その時も,ものづくりへの考え方は変わりませんでしたか?
大: 変わらなかったですね.実際自分の考えにマッチした進路が決められたと思います.就職活動はしんどかったけどね.長引きましたから.最初はインターンから始めたんです.ちょうど9月の後半くらいからで,そこもweb系の会社でした.iPhoneアプリの制作の部署に入って,数週間にわたって作業しました.その後,本格的に就職活動を始めたのは1月くらいですかね.
菅: 就職活動では何が大変でしたか?
大: 実は早々に一つ内定が出たんです.結局はそこは辞退したんですけど,その後気持ちが切れてしまって,しばらく上手くいかない時期が続きましたね.でもその後,自分の志望を明確にしたらまた内定がもらえるようになったかな.周りはけっこう早く決まる人もいて焦りましたね.最終的には,web系の会社の技術系の職に決まりました.
研究室での生活
菅: では就活を終えて今は修論に向けてという時期だと思うのですが,最近の普段の研究活動,生活はどうですか?順調ですか?
大: 最近けっこう大変ですね.研究室にいるのは,昼以降から夜にかけてですけど.だんだん夜型になってきてしまっていて,よくないなとは思っています.研究が詰まってくると,家に帰った後で気晴らしにギターを弾いたりしますね.
菅: ラボの生活で楽しいと感じる時,苦しいと感じる時はありますか?
大: 新しい知識を得られる時ですかね.このラボは,外部から,時には海外から様々な人が訪問しにいらっしゃったりしますけど,その講演は毎回面白いですね.海外の学会に関われる機会も多いですし.そこが北村研究室のいいところだと思います.研究していて苦しいのは,研究の内容が決まらない時期ですね.何をしていいのかわからない時がどうしても苦しいです.
菅: 講演が多いのは,学ぶ機会が増えるという意味で良いところですね.今回はかなり詳しいところまで話をしてもらってありがとうございました.
終わりに
M2(修士2年)の大山さんへのインタビューでした.他学部,他学科の人で,別な道を探している人の参考になれば幸いです.分野が異なる人でも,一度問い合わせてみるといいかもしれませんね.