今回は卒業間近の修士2年のChenさんにこれまでの研究室生活を振り返って話していただきました.

インタビュアー: 大西

ICD-Labに入るまで

大: Chenさんは修士で日本に来られた訳ですが,学部生の頃はどんなことを勉強していましたか?

C: 学部ではソフトウェア工学を専攻し,コンピューターサイエンスの基礎知識やプログラミングを学んでいました. 学部生の間は,スマートフォンのアプリやウェブプログラミング,中国語の自然言語処理, ポスターやロゴのデザインなど複数のプロジェクトに関わっていました.

大: 学部の頃は様々なことに挑戦されていたんですね.学部時代の勉強から,どのような経緯で北村研究室で勉強することに決めたのですか?

C: 近年は,多くのユーザが製品やサービスの体験価値を重要視するようになり, コンピューターサイエンスの分野においてはヒューマンコンピュータインタラクションをデザインすることの重要性が高まってきました. このことから,元々インタフェースのデザインやHCIの分野について興味があり勉強したいと思っていましたが, 中国ではUXをあまり重視しておらずHCIについて研究している研究室もあまり多くありませんでした.
北村研究室のウェブページを見つけて研究テーマを見たとき,とてもインスピレーションを受けました. どのコンテンツも私たちの生活の中で起こる問題を解決し,より良いユーザー体験の提供を通じて, 生活を豊かにするようなものであり,魅力を感じる研究テーマばかりでした. 自分もここで一緒に研究をしていきたいと思い,北村研究室で学ぶことを決めました.

大: 研究室に入ってからは,どのようにプロジェクトを決めていったんですか?

C: 学部生時代にスマートフォンのアプリケーションに関するプロジェクトにいくつか関わった経験があったのと, モバイルデバイスの研究を自分でも続けたい気持ちがありました. 高嶋先生からマルチモバイルデバイスに関する研究を提案してくださり, 私も今後のモバイルデバイス産業の中で盛んになる分野だと思い興味があったので今の研究に決まりました.

大: 学部の頃の経験が北村研究室に来てからも繋がっていたんですね.

研究室での生活

大: Chenさんはこの春で修士を卒業されますが,この2年間はどのような研究生活を送っていましたか? 何か研究をする上で大切にしていたことはありますか?

C: だいたい毎日10:00~21:00頃まで平日は研究室に滞在していました.やることをはっきりさせて臨むことが重要だと思い, 朝に1日のやることをリストアップしてから研究をスタートしていました. 研究を進める中で大切にしていたことは,自分の考えに固執してしまうのだけではなく,色々な人の意見を聞くことです. 研究室のメンバーや時には異なる分野の人と話すことで思わぬ新たなアイデアを得られることもありました.

大: 確かに,何気ない会話の中で研究のヒントとなることを得られることも少なくないですよね.逆に研究で大変だと感じる瞬間はどこでしたか?

C: 一番大変だったのは長い間自分の研究課題を解決するための根幹となる研究目的が見つからなかったことです. 当時はとても辛かったですが,先生方や研究室のメンバー,友人とも議論し,たくさんのヒントをもらって解決できました.

大: 研究目的を設定することが研究の一番大事な部分でもあり,難しい部分でもありますね. ところで北村研究室で経験したことの中で思い出深いことは何ですか?

C: 2年前に神戸で開催されたSIGGRAPH Asia(グラフィック系のトップレベル国際学会)に学生ボランティアとして参加したことです.

大: その時の思い出を聞かせてください!

C: 学生ボランティアでは世界中から集まっていた沢山の学生と知り合いました.3Dデザインやグラフィック等の専攻の学生が多かったので, 自分とは違う分野の研究に触れる良い機会だったと思います. 学会の後もこまめに連絡を取り合っている友人もいて,研究でオンライン調査を行った際にはリンクのシェアをしてくれたりと助けてもらいました.

大: 私も去年参加しましたが,沢山の刺激を受けて帰ってきました. 学生ボランティア等研究室外での経験も積極的にさせてもらえるのがこの研究室の良い所ですよね.

これからの進路

大: 最後に,卒業後の春からの予定を教えてください.

C: 母国である中国で就職し,人々の生活スタイルを変えたり生活をより良く出来る仕事をしたいと思っています. それに加えて,ピアノの先生やヨガのインストラクターのような全く異なる仕事にも挑戦したいです. 情熱を忘れず,常にクリエイティブで新しいことを求めていきたいと思います.

大: 色々とお話ししていただきありがとうございました.研究室生活での経験を生かして,卒業後も頑張ってください!

終わりに

M2(修士2年)のChenさんへのインタビューでした.北村研究室では様々な背景を持った留学生と日本人が一緒になってグローバルな環境で研究を行っています. 研究室に関する質問等は随時メールから受け付けていますので,気になることがあればお気軽にお問い合わせください.