GyroWand

GyroWandは,HMD (頭部装着ディスプレイ)のためのレイキャスティングによる新しい3次元インタラクション技術です.利用者の手やコントローラの絶対的な位置・回転量を用いる従来手法とは異なり,手に持つコントローラ (IMU: inertial measurement unit)により得られる相対的回転量を用いています. しかし,センサのドリフトや,実世界のコントローラとバーチャル世界のコンテンツの対応付けが一般に難しいため,コントローラで得られた回転量をレイの方向変化に単純にマッピングすることはできません.この問題を解決するため,1) 状態遷移図を用いて相対的回転量を認識し,2) 初期回転量を調整することでドリフトに対処し,3) 利用者の手の代わりに身体上を起点としての座標軸を設定し,4) 奥行方向に重なっているオブジェクトを区別して選択するための手法 (Lock&Twist, Lock&Drag, AutoTwist) を設計・実装しました.さらに,異なる設計によるGyroWandそれぞれについてパフォーマンスと利便性を調べる評価実験を行い,HMDを用いたレイキャスティングによる3次元インタラクション設計の指針を得ることができました. 


Publications

  • Juan David Hincapié-Ramos, Kasim Ozacar, Pourang P. Irani, and Yoshifumi Kitamura.
    GyroWand: IMU-based Raycasting for Augmented Reality Head-Mounted Displays.
    In Proceedings of the 3rd ACM Symposium on Spatial User Interaction (SUI ’15). pp. 89-98. 2015.  [PDF]
  • Juan David Hincapié-Ramos, Kasim Ozacar, Pourang P. Irani, and Yoshifumi Kitamura.
    GyroWand: An Approach to IMU-Based Raycasting for Augmented Reality.
    In IEEE Computer Graphics and Applications, vol. 36, no. 2, pp. 90-96, Mar.-Apr. 2016.[PDF]