SwapVid

近年,オンラインミーティングや講義動画など,主にPDF形式の配布資料を伴う,資料と密接に関連した動画コンテンツ(資料動画)を視聴する機会が増加している.資料動画における,ユーザの想定される視聴シナリオでは,動画と配布資料を同時並行で閲覧したり,片方の情報に基づいてもう片方を探索する,といった情報探索タスクが発生することが予想され,このような場合において,ユーザは動画と資料のコンテンツを目視で探索し,両者のシーケンスを対応付ける必要がある.これは非効率的なタスクであり,現在提案されているビデオナビゲーションツールでは,特に情報量が多いコンテンツにおいてユーザの負荷が高まるため,対処が難しい.そこで本研究では,動画と資料を統合し1つのビューアで閲覧するユーザインタフェースSwapVidを提案する.SwapVidインタフェースは,資料動画視聴におけるユーザの主なタスクである(1)動画に基づく資料への遷移(V2Dタスク),(2)資料に基づく動画への遷移(D2Vタスク)の2つをターゲットとして,注目対象をユーザが任意に操作する「直接操作」,及び関連情報をわかりやすく提示する「可視化」等のユーザインタフェースの設計手法を活用することで,両者の往来を支援する.

SwapVidシステムは,SwapVidインタフェース及びシーケンスアナライザの2つの要素から構成される.SwapVidインタフェースには動画モードと資料モードの2つのビューが存在し,動画モード時,資料に関連するインタラクション(e.g., スクロール操作)によって資料モードに移行し,資料モード時,動画に関連するインタラクション(e.g., シークバー操作)によって動画モードに移行する.シーケンスアナライザは動画と資料のシーケンスの対応関係を解析するものであり,OCRを中心としたコンテンツマッチング及びビューポート推定アルゴリズムによって実現される.

ユーザスタディでは,ユーザの資料動画視聴のシナリオに基づくタスクにおいて,SwapVidインタフェースの初期プロトタイプと,動画と資料を横並びで配置する従来型のユーザインタフェースを比較した.その結果,SwapVidインタフェースを使用した条件では,特にV2Dタスクを中心に,情報探索タスクをより短い時間,及びより少ないインタフェースの操作量で完了でき,主観的・身体的負荷を軽減することが分かった.加えて,SwapVidは定性評価でより好まれる傾向が示されたものの,フィードバックとして実用面での改善点(e.g., 情報の一覧性の改善)が得られた.実験結果を踏まえ,(1)資料モード時に再生中の動画を確認できるPicture-in-Pictureウィンドウの追加,(2)動画内文字列の直接ドラッグ操作によるV2D遷移インタラクションの追加,(3)モバイル端末上での動作,の3点をアップデートした改良版のインタフェースを作成した.


Publication

International

  • Taichi Murakami, Kazuyuki Fujita, Kotaro Hara, Kazuki Takashima, Yoshifumi Kitamura. SwapVid: Integrating Video Viewing and Document Exploration with Direct Manipulation, Proc. of the 2024 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI ’24), Article No. 1035, pp. 1-13, May. 2024.

Domestic

  • 村上大知,藤田和之,原航太郎,高嶋和毅,北村喜文. SwapVid: 資料動画の視聴支援のための 動画・資料ビューアの統合型インタフェース.インタラクション2024論文集,pp. 373-376, 2024年3月.