TransformTable:人の空間配置を動的に変化させる自律変形デジタルテーブル
本研究は,自律的にテーブル面の形を変形することが可能なインタラクティブデジタルテーブルTransformTableを提案しています.これを用いることで,テーブル周囲の利用者は,特別な操作やテーブルの交換などをする必要なく,状況に応じた適切な空間や雰囲気を維持したり,創り出したりすることができます.
テーブルの形と人々の空間配置
社会心理学の分野では,代表的なテーブルの形とテーブルの周囲の人々の空間配置について長年検討されており,次に示すような特徴が明らかにされてます.
- 円形のテーブル: 角や側面がないため,均衡のとれた配置を促すものである.また,円形のテーブルには明白な個人領域が生まれにくいという特徴もある.
- 正方形のテーブル: 4つの角は,4つの領域が独立していることも意味しており,等しい長さの4辺は確かなパーソナルスペースが保証されている.
- 長方形のテーブル: 長方形のテーブルの主な特徴は正方形のテーブルと同様である.しかし,短辺に人が位置し,もう一方の短辺に人がいない場合は,前者は一般的にテーブルの上座として認識される.
TransformTable
TransformTableの第一号プロトタイプは,社会心理学の知見と基本的な家具デザインに基づいて設計され,先に述べた3つの基本的な形(円形,正方形,長方形)に,物理的に変形することができるデジタルテーブルです.変形はすべて外部コンピュータからBluetoothを用いて無線で管理することができ,環境センサの値などに基づき,自律的に変形することができます.テーブル面はマルチタッチ可能なハードスクリーンであり,様々なグループインタラクションの場面で利用可能です.
アプリケーションシナリオ
会話スタイルや状況に応じた動的な空間生成
会話の状態をセンサ等で推定した上で,テーブルの形によってテーブルの周囲のユーザの立ち位置を変化させ,ある会話スタイルに誘導することが可能です.また,会話スタイルが動的に変化する場面においても柔軟に適切な空間を提供できるユニバーサルテーブルとしても利用できます.
Publications
International
- Kazuki Takashima, Naohiro Aida, Hitomi Yokoyama and Yoshifumi Kitamura: TransformTable: a self-actuated shape-changing digital table,
Proceedings of the ACM International Conference on Interactive Tabletops and Surfaces, pp. 179-188, October 2013.[PDF]
Domestic
- 高嶋和毅,会田直浩,横山ひとみ,北村喜文: TransformTable: 人の空間配置を動的に変化させる自律変形デジタルテーブル, インタラクション, 2014 3月.